手段としてのソフトウェア

作りたいものが見つからず不安なので,せめて何か蓄積したいと思いました。

数学ガールの秘密ノート/微分を追いかけて を読んだ

そろそろブログタイトルも,こんなちょっとスカした感じじゃなくて,「冴えないおじさんの読書にっき」とかにしたほうがいいだろうか,と少し悩んでいます。

いえ,元気になったらソフトウェアの話もするはずなので,いいのです。

 

今回も数学ガールの秘密ノートシリーズから,「微分を追いかけて」です。

note5.hyuki.net

 

書評というほど立派なことはとても書けませんが,とにかく,私がいかに楽しんだかを書いていきたいと思います。

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今回は電子書籍

 

こんなにも「微分を追いかけた」ことはなかった

さて,微分です。瞬間の変化率を求めるもの。
微分については,仕事でも変化率に着目して取り組んでいた時期があったので,本書の導入部はわりとすんなりと読めました。それにしても,こんなにもゆっくりと「微分を追いかけた」ことはありませんでした。そもそもどういう操作をしているのか。どういう目的,場面で使えるのか。そして,実際に手を動かして計算して,たしかに公式にたどり着くことができる。当然といえば当然ですが,再発見する喜びがありました。

ユーリさんのセリフにも「階差数列と似てる?」というものがありましたが,本書の紹介ページにもあるように,複数の分野,視点でもって対象を照らしてくださるので,学びがつながっていく楽しさも味わうことができました。

 

あっ,パスカルの三角形!

これも紹介ページにも記載されていますが,パスカルの三角形が登場します。

いやもう,こんなにも「遊べる」ものだったとは思いませんでした。

プログラマの数学 第2版」にも登場するパスカルの三角形ですが,ここから二項定理にもつながり,微分にも関連するとは。先に「プログラマの数学」を読んでおいたおかげで,楽しさもひとしおでした。

こういうときに,電子書籍だと,出先でもすぐに別の本を参照できていいですね。

 

テトラさん,なんていい子

 また今回は,今まで以上に手を動かして,ユーリさんやテトラさんと同じように迷い,考え,計算し,式を変形しながら読みました。なんてことない式変形でも,妙にハマって苦しんだりして,でも,そもそも高校生のときからスラスラできたことなんてなかったな,とほろ苦い気持ちにもなりながら楽しみました。

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悪戦苦闘,でも面白い

「僕」が示してくれるヒントを手掛かりに,すぐに次のページをめくらず,心ゆくまで自分で考える。考えて考えて,自分なりの方針が「僕」と一致していたときのうれしさといったら!

また,「僕」の話を聞いてもわからないときは,「そう,まさにそこが分かりません!」というポイントをテトラさんが代わりに質問してくれます。なんていうのでしょう,テトラさんと同じ気持ちを追体験している感じで,「僕」の言葉が輝いて見えます。「僕」先輩はなんて誠実で,ていねいに私と向き合ってくれる人なんだろう。惚れそう。もう気分はテトラさんです。

まあ,テトラさんよりも理解が遅い自分に(高校2年生以下か・・・)と少し悲しくもなりますが,そしてそのことをここで発表している自分が恥ずかしくもありますが,とにかく楽しかったのです。

そしてこの楽しさは,後半にいくほど増していきます。ミルカさんが最後に提示してくれる内容にもワクワクします。数学って面白い!たしかにこれは,現実を説明するための言葉のひとつなんだ!と実感できます。でも,ミルカさんは何故あんなにも最初からすべて見通せるんだろう。すごいなあ。と数学の本ですがテトラさんに完全に感情移入です。自分,おっさんなのに。坊主頭の小太りなのに。。。

 

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今回もいきおいに任せて書きなぐってしまいました。なんだか,取り組めば取り組むほど面白くなってきて,たいへんうれしいです。

次は秘密ノートシリーズの積分,その次は行列へ行こうと思っていましたが,その前に数列や整数を読んでおいたほうが絶対面白いだろうな,と思い直しました。

 

今回の「微分を追いかけて」は1週間かけて楽しみました。こんなにコスパのいいたのしみもなかなかないと思います。また,忙しい社会人にはなかなか許されない,贅沢な読み方とも思います。今しかできないことだと思うので,この機会をしっかり味わっておきたいと思います。