手段としてのソフトウェア

作りたいものが見つからず不安なので,せめて何か蓄積したいと思いました。

すいません、ほぼ日の経営。を読んだ

こちらソフトウェアとは直接関係しないのですが,途中何度か涙が出そうになるほど読んでいてうれしい本でしたので,記録しておきたいと思います。

 

business.nikkeibp.co.jp

 

メモなどしながらじっくりと読みました。

f:id:takumat1982:20190107181250j:plain

ほぼ日手帳じゃないのがアレ


ひとことで言うと,「『企業は人なり』に本気で取り組んだ社長のおはなし」だと思いました。

 

会社を経営していくうえで,社員や,事業にかかわる関係者を,役割や能力といった,いわば「機能」としての面だけを考慮するのではなく,あくまでも「人」として引き受けていくにはどうしたらいいか。

会社というものを,人間らしさを制限する,いわば「枠」のようにしてしまうことなく,人が生き生きと幸福に,自由に振る舞うための「場」にするにはどうしたらいいか。

糸井重里さんが,職人としての生き方から「社長」として生きていくためにと考え続けていることが,わかりやすいことばで (アルファベット3文字の略語とか,格好つけたカタカナ語とか出てきません) ていねいに語られています。

また,糸井重里さんが学び,吸収してこられたであろう,小倉昌男氏やドラッカー氏,それに本書には名前こそ出てきませんが,おそらくは岩田聡氏,吉本隆明氏,堤清二氏などたくさんの先人たちの気配も感じられます。そういう意味でもお得かもしれません。

 

私の文章力ではとても魅力を書ききれないので,内容を少し引用させていただきたいと思います。この引用箇所のセンスも自信ないんですけどね!

  • 好きなものについて考え続けたり,興味のあることを続けたりすることが,人の能力を伸ばしていきます。それを邪魔されないことが「集中」ということの本当の意味ではないでしょうか。ー第二章 ほぼ日と人 より
  • 「誠実」であればおのずと「信頼」が生まれます。なにかの仕事を頼んで,一緒に手をつないでいるときに,その人が手を離さないこと。逃げないと思える人とは仕事ができると思うんです。つまり「誠実」と「信頼」はセットになっている。 ー第二章 ほぼ日と人 より
  • ぼく自身は否定感を抱えている人間ですが,「生まれてよかった」と思える人が集まる社会のほうが人を幸せにするはずです。だから工程間につながるものを提供することが,ほぼ日のベースにあるのだと思います。 ー第五章 ほぼ日と社長 より

  

電通のコピーライター 田中泰延さん (田中泰延(@hironobutnk)さん | Twitter  : この方も相当魅力的な方です) は,会社としての「ほぼ日」を「資本主義の奇跡」と呼んでおられましたが,私もまったくの同感です。この組織が株式市場に上場し,きちんと利益を出し,事業を継続しているということ自体,すばらしいことだと思います。

 明日から役立つ実用書,という類の本ではないですが,チームで仕事をしておられる方でしたら,何かしら響くものがある本だと思います。おすすめ,であります。